ファクタリングの申し込みで最初につまずくのが書類です。会社によって求めるものが違い、追加で言われるたびに時間が過ぎていきます。
この記事では、どの会社でも共通して求められる書類と、条件によって追加される書類を分けて整理します。あわせて、書類がそろっていても審査が止まる原因も扱います。

最低限そろえる3点
オンライン完結型を中心に、この3点で審査に入れる会社が増えています。
| 書類 | 何を見られるか | 準備の注意 |
|---|---|---|
| 請求書 | 売掛金の存在、金額、売掛先、入金予定日 | 発行済みのもの。見積書や注文書は原則対象外 |
| 通帳の入出金明細(直近3〜6か月) | 売掛先からの入金履歴、取引の継続性 | 直近まで記帳する。ネットバンキングのPDFでも可 |
| 代表者の本人確認書類 | 申込者の実在確認 | 有効期限内。運転免許証、マイナンバーカード、パスポート |
3点のうち、審査で最も重く見られるのは通帳の入出金明細です。ファクタリングの審査は売掛先の信用力が中心なので、その売掛先から実際に入金され続けているかどうかが判断材料になります。
条件によって追加される書類
金額が大きい場合、法人の場合、初回取引の場合などに追加されます。
| 書類 | 求められる場面 | 取得先と費用の目安 |
|---|---|---|
| 商業・法人登記簿謄本(履歴事項全部証明書) | 法人、債権譲渡登記を行う場合 | 法務局。1通600円前後 |
| 法人代表者の印鑑証明書 | 契約書に実印を使う場合 | 法務局。1通450円前後 |
| 納税証明書 | 税金の滞納状況を確認する場合 | 税務署または市区町村。1通400円前後 |
| 決算書(直近2期分) | 申込金額が大きい場合 | 自社で保管しているもの |
| 売掛先との基本契約書・注文書 | 取引の実在を確認する場合 | 自社で保管しているもの |
| 債権譲渡登記の関連書類 | 2社間で登記を求められた場合 | 司法書士に依頼するのが一般的 |
登記簿謄本、印鑑証明書、納税証明書は平日しか取得できません。急ぎのときにこれを求められると、それだけで数日遅れます。
登記簿謄本と印鑑証明書は、法人であれば定期的に必要になる書類です。直近3か月以内のものを1通ずつ手元に置いておくと、急な申し込みでも動けます。土日祝日の申し込みについてはファクタリングの土日・祝日・24時間対応を参照してください。
債権譲渡登記が必要になる場合
2社間ファクタリングでは、債権譲渡の対抗要件を備えるために登記を求められることがあります。登記には司法書士への報酬と登録免許税がかかり、手数料とは別の費用になります。
登記は誰でも閲覧できるため、売掛先が調べれば把握できる状態になります。売掛先に知られたくないという理由で2社間を選んでいる場合、登記の要否は契約前に必ず確認してください。
個人事業主・フリーランスの場合
法人と違い、登記簿謄本や印鑑証明書は存在しません。代わりに次のものが求められます。
- 請求書または業務委託契約に基づく報酬明細
- 通帳の入出金明細(事業用口座。個人口座と分けているほうが望ましい)
- 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカード)
- 確定申告書の控え(求められる場合がある)
- 開業届の控え(求められる場合がある)
事業用口座と生活用口座を分けていない場合、事業の入出金が読み取りにくくなり審査に時間がかかります。詳しくは個人事業主向けおすすめのファクタリング会社とフリーランスのファクタリングを参照してください。
なお、個人の給与を対象とする取引は貸金業に該当するとされており、当サイトでは扱っていません。業務委託契約に基づく請求書であるかどうかが分かれ目になります。
書類がそろっていても審査が止まる原因
必要な書類を全部出したのに時間がかかる、という場合の原因はだいたい決まっています。
振込手数料が差し引かれている、複数の請求をまとめて入金されている、といった理由で数字が合わないことがあります。事前に説明を添えておくと確認が早く済みます。
・通帳が直近まで記帳されていない
最終記帳が数か月前だと、直近の取引状況が確認できません。
・売掛先との取引が初回で入金履歴がない
継続性を示せないため、判断材料が請求書だけになります。基本契約書や発注書があれば添えてください。
・書類の画像が不鮮明
斜めから撮影した、影が入っている、金額が読み取れない。PDFか、真上から撮った鮮明な画像で提出します。
・請求書の入金予定日が数か月先
期日までの期間が長いほどリスクが高くなり、追加の確認が入ります。
急いでいる場合ほど、この確認のやり取りが致命的になります。当日中の入金を目指すなら、即日ファクタリングの時間割もあわせて確認してください。
書類が少ない会社の選び方
必要書類の数は会社によってかなり違います。決算書を必須とする会社もあれば、請求書と通帳だけで審査する会社もあります。
| 確認すること | 理由 |
|---|---|
| 決算書が必須かどうか | 赤字決算や設立間もない場合に影響する |
| 登記簿謄本・印鑑証明書が必要か | 平日にしか取得できないため急ぎに影響する |
| 電子契約に対応しているか | 印鑑証明書と実印が不要になる場合がある |
| 提出方法(アップロードか郵送か) | 郵送だと数日かかる |
| 原本の提出を求められるか | 原本が必要だと来店か郵送になる |
電子契約に対応している会社では、実印と印鑑証明書が不要になることがあります。オンライン完結のファクタリングと来店不要のファクタリング会社も参考にしてください。
業種によって用意しやすい書類は変わります。建設業であれば出来高請求書、運送業であれば複数荷主の請求書がまとまることがあります。対応可否は事前に確認してください。
よくある質問
請求書だけで申し込めますか
請求書のみで審査に入る会社は多くありません。通帳の入出金明細と本人確認書類を含めた3点が最低限になります。請求書だけでは、その売掛先から実際に入金されているかを確認できないためです。
決算書は必ず必要ですか
会社によります。申込金額が大きい場合や初回取引の場合に求められることが多く、少額のオンライン完結型では不要とする会社もあります。赤字決算で提出したくない場合は、決算書不要の会社を探すことになります。
通帳はコピーでもよいですか
多くの会社でコピーやスキャン、ネットバンキングの明細PDFで受け付けています。ただし原本の提示を求める会社もあるため、申し込み時に確認してください。
見積書や注文書でも資金化できますか
一般的なファクタリングの対象は発行済みの請求書です。注文書を対象とする商品を扱う会社もありますが、取扱いは限られ、手数料も高くなる傾向があります。
税金を滞納していると納税証明書で落ちますか
ファクタリングの審査は売掛先の信用力が中心となるため、滞納があっても相談できる場合があります。ただし各社の判断によります。納税証明書を求めない会社もあります。
複数の請求書をまとめて出せますか
会社によって対応が分かれます。まとめて買い取れる会社もあれば、1件ずつ審査する会社もあります。売掛先が分散しているほど回収リスクは下がるため、条件面で有利に働くこともあります。
印鑑証明書は何通必要ですか
契約の形態によりますが、1通あれば足りることがほとんどです。発行から3か月以内のものを求められる場合が多いため、有効期限に注意してください。電子契約に対応している会社では不要になることもあります。





